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Sorry Not Sorry IPA
4 Hands / Bale Breaker / Stone
Stoneが4 Hands、Bale BreakerとコラボレーションしたインペリアルIPA。
それもただのインペリアルIPAではなく、Experimental hopとピーチが投入された新領域のインペリアルIPAなのである。
4 Handsはミズーリ州St. Louisに位置する2011年創業のブリュワリー、Bale Breakerはホップのメッカことワシントン州Yakimaで2013年に創業したブリュワリーで、両社ともアメリカンクラフトビール界の新星である。
彼らとStoneが手を組んだのは、2014年秋にStoneのブリューマスターMitch SteeleとリードブリュワーJeremy MoynierがYakimaへと赴いたのがきっかけとなっている。毎年秋になると、多くのブリュワー達がホップのメッカへと高品質で面白いホップを探しに出かける。そしてMitchとJeremyもそこでホップの選定を行っていたのだが、その際Loftus Ranchesを見て回る機会があった。そこは、現在大人気のホップとなっているSimcoeを初めて商業的に育成した家族経営のホップ農場で、同じ場所にBale Breaker Brewing Co.をオープンしたのも彼らだった。ホップ畑に囲まれたブリュワリーで造られるホップを前面に出したビール達を目の当たりにして、Mitchがコラボレーションを申し込むのは自然な成り行きだろう。Stoneと親交があり、“awesome breweries we gotta collaborate with”list(コラボレーションすべき最高のブリュワリーリスト)というStone独自のリストにも長い間載っていた4 Hands Brewing Co.も誘って、新たなコラボレーションが始まったのである。
この3つのホップ好きなブリュワリーが集まって造るものといえばやはりIPAとなる。しかし普通のIPAでは面白くない。そこで彼らはまずホップの種類に着目した。Simcoeを投入するのはもちろんだが、彼らは新種のExperimental hopも使うことにした。Bale Breakerが持ち寄ったHBC344と呼ばれるホップでドライホッピングを施すことでストーンフルーツ、トロピカルフルーツの素晴らしいアロマを演出。さらにStoneからもHBC342が加えられ、メロンやマイルドなシトラスの味わいが楽しめるようになった。また、ユニークなビールを生み出している4 Handsの提案でピーチピューレを投入。フルーティなホップフレイバーを強調し、ホップ・モルト・ピーチのバランス感が素晴らしいビールに仕上がった。グラスに注がれた液体はゴールデンに明るいブラウンが混じったような色合い。はっきりとした松の樹脂のようなアロマとともにピーチ、アプリコット、ストーンフルーツ、メロンなどたくさんのフルーツが鼻腔をくすぐる。温度が上がるにつれピーチのニュアンスが顕著になる。口に含むとまるで本当にフルーツを食べているかのようなフルーティさでシトラス、トロピカルフルーツ、ストーンフルーツが口の中で弾ける。他にも松のような強い苦みと青々しい草、ミュンヘンモルト由来の程よい甘みが心地よく感じられる。フィニッシュはかすかな甘みとスムースな苦みが余韻を残す。
Sorry Not Sorryとは
「(悪く思っていないけど)ごめんね!」
と形ばかりに謝る時に使うフレーズ。「またIPAを造ったのか」と飽き飽きしている人には申し訳ないが、彼らはIPAを造らずにはいられない。拡がり続けるIPAの宇宙を探検するホップヘッドの集まりがStoneなのだから。
どうぞお試しを!